山あいの町

 

学校からの子どもたちや　買い物帰りの人を乗せて

小さなバスは走る　ヨイショヨイショと坂を登る

坂の上の郵便局　職員さんは愛想がよくて

傍には豆腐屋の旗がゆらめく　働く者の声が響く

 

　＊　どこにでもあるような　山あいの町

　　　どこにもない　たった一つの　山あいの町

 

土を掘れば縄文時代の　器が今も出てくる

そんな時代に思いをはせた　人たちが集う博物館

丘の上の保育園　聞こえてくる子どもたちの声

甘い給食のにおい　木々を揺らす風にのって

 

　＊　くりかえし

 

親の代から引き継いだ　仕事に誇りを持ち続ける

細々ながらやり続ける　何人かの職人たち

山と田んぼと畑と　いくつかの小さなお店

ここで育った人たちと　ここに来て生きる人たち

 

　＊　くりかえし

 

 

　　　　　　　　詩：鈴木幹夫　　曲：武部　仁

 

　　　　　　　　　　　　　　　２０１８年３月